英語で行うネイチャーガイドで気をつけたい5つのこと

バイリンガルネイチャーガイドは、世界中から訪れるお客さまに対し、地域の自然や歴史の魅力を掘り起こしお伝えしたり、お客さまを笑顔にしたり、お客さまに良い思い出を刻むお手伝いができたり、何よりお客さまと仲良しになれたり…と、とても魅力的な仕事です。

では、英語で行うネイチャーガイドで気をつけるべきとはどんなことがあるでしょうか?
今回は5つのポイントにまとめてみました。

[toc]

何と言っても「安全第一」

当たり前かもしれませんが、まず、何と言ってもお客さまとガイド自身の「安全」を守らないといけません

まち歩き程度のガイドツアーでも、クルマの危険(自国とクルマの進行方向が違うことで思わぬ危険になるかもしれません)や、撮影に夢中になっての転落転倒などのリスクを常に注意して行動しましょう。

自然に分け入るネイチャーガイドでしたら、ガイドはその度合いに応じたスキルが必須。
もちろん無理なコース設定は禁物です。
また、新しいコースを設定するときは、十分な下見や危険予知が必要です。

さらに「中止する勇気」も大切です。お客さまがとても楽しみにしていたり、強いリクエストがあったりしても安全に勝るものはありません。
警報級の悪天が予想されたり、予定しているツアーコースでクマの出没情報があったりした場合、コースを変更するなり中止するなどして、お客さまと自身の安全を確保しましょう。

そして、万一に備え、応急処置のセットや緊急連絡先を用意するとともに、損害賠償保険には必ず加入しておきましょう。
複数の損保会社に相談することで、自分のガイドのスタイルに合った保険が見つかると思います。

ガイドの目的を理解する

Guests From Aust

バイリンガルネイチャーガイドの仕事の基本は「世界中からお越しのお客さまに対し、地域の自然や歴史の魅力を掘り起こしお伝えする」ことです。

でも、それは本当の目的でしょうか?

私は、それはあくまで手段だと思っています。
本当の目的は、「お客さまを笑顔にし、良い思い出を作ってもらうこと」。
そのためには、用意した情報を一方通行で伝えないことです。
ツアー中はお客さまの反応を観察し、お客さまのニーズがどこにあるかを探りながら、話す内容・訪問場所をフレキシブルに変えて行くと良いでしょう。

お客さまは「興味があって経験していないこと」を望んでいるので、参考にしてください。
・興味があり、経験している →あたり前情報・前提情報
・興味がなく、経験していない →プラスα情報
・興味がなく、経験している →望まれていない情報
・興味があり、経験していない →望む情報

仲良くなるコツ

笑顔は大切

また、せっかく「人」が案内しているのですから、ガイドとお客さまが「仲良し」になることで、より思い出深いツアー体験になると思います。

そのためには第一印象がとても大切です
笑顔で話すのはもちろん、ちょっと笑いを入れた自己紹介をしたりして、温かい場の雰囲気を最初に作ることでグッと親近感が増します。

事前にお客さまの情報を入手しておき、例えば「トロントからお越しなんですね! 以前一緒に働いていたスタッフがカナダの方と結婚して、いま、トロントに住んでいます。
住みやすいと言っていました」といったように、その情報を使うのもいいですね。

客観的な情報だけでなくガイド自身の経験や好みなども出して「私はここの〇〇が好き」、「私のおすすめは〇〇」など「私は」情報も効果的です。
ツアー中にお客さまを名前でお呼びすることも親近感を増す要素になります。

言葉が通じない?

バイリンガルでない方が、英語でネイチャーガイドを行おうとした時に、心配なのが「言葉の壁」です。

でも、実際にガイドを行うとそれはほぼ杞憂であることがわかります。

実際、TOEICで645点しか得点できていない私でも、TripAdvisorの口コミには、” His English is perfect, he is a warm and gracious host, and he is a delightful conversationalist.”などと書いていただけるのですから間違いありません。

有名なメラビアンの法則によると、コミュニケーションで相手に与える影響度合いは言語情報(言葉、話の内容など)7%、聴覚情報(声のトーンなど)38%、視覚情報(態度、表情など)55%と言われています。
「コミュニケーションに占める言葉の割合はそれほど高くない」ということです。
さらにガイドツアーでは、実際の説明対象が目の前にあるのですから、視覚情報の与える影響はもっと大きいかもしれません。

そして本当に困った時には、スマホの翻訳アプリに活躍してもらいます。
私が活用しているのはVoiceTraというアプリです。

とはいえ、言葉で情報が伝わるようになっていた方が良いに越したことはありません。

私は、ツアー中に話すであろう内容を、全て英語原稿として書き出していて、時々、声に出して読み上げる練習しています。
そして英会話力を上げようと、オンライン英会話教室で特訓中です!

ガイド内容は常にアップデート

一度作ったツアープログラムをそのままにしていませんか?

ネイチャーガイドは自然という生き物を相手にすると同時に、そのプログラム自身も生き物のように成長させていくことで、よりお客さまに喜んでいただける内容になります。
一緒に歩いたお客さまの反応を見て、次回のプログラムを変更する、地域や自然の新しい情報を常に入手する、ツアーを紹介するWEBやSNSの写真や動画をより魅力あるものに差し替える、などPDCAを回し続けましょう

また、自分のツアーの競争力はどれくらいかも常にリサーチしておき、適正な価格や内容にブラッシュアップする作業も必要です。
バイリンガルネイチャーガイドの場合、例えば「幻のオオサンショウウオを探しに行くツアー」であれば、オーストラリアの「カモノハシに会えるかもしれないツアー」を競合としてベンチマークするなど国内だけでなく世界単位でリサーチすると良いでしょう。

最後に

世界中からのお客さまをお迎えするバイリンガルネイチャーガイド。
お客さまにとっては、この場所への訪問は最初で最後かもしれません。
そんなお客さまの心の中に温かな思い出としていつまでも残り続けるようなガイドツアーが日本中に生まれたら、日本旅行はもっと楽しく魅力ものになることでしょう。

そんな観光のあり方を目指して、一緒に切磋琢磨して行きましょう!

If you like this article, please
Like or Follow !

Let's share this post !

Author of this article

Masuo Kashiwabara
群馬県・四万温泉にて温泉旅館を経営。地域でのインバウンド客比率が3%にも満たない中、どこよりも早くインバウンド集客に経営をシフト。
その比率は20%越え、メディア等でユニークな作戦が報じられる。
近年は四万温泉地域全体のインバウンド客を増やそうとバイリンガルのネイチャーガイド/タウンガイドとして活動。日本全国にもバイリンガルガイドを増やしたいとセミナーを広げることに全力投球中。

Comments

To comment

TOC